Premiere Proで音が出ない時の直し方【2026年版】6ステップの原因切り分けと書き出しで無音になる時の対処

Premiere Proで音が出ない時に、原因を上流から順番に切り分ける手順をまとめました。「タイムラインでは鳴らない」「編集中は鳴るのに書き出すと無音」「片方のスピーカーからしか鳴らない」はそれぞれ原因が違います。トラックのミュート/ソロ、クリップのオーディオゲイン、オーディオハードウェアの出力先、素材のチャンネルマッピング、書き出し設定のチェック欄まで、確認する順番つきで解説します。
- 音がどこで消えているかを30秒で切り分ける方法
- タイムラインで真っ先に見るべき4か所
- 出力先(オーディオハードウェア)がズレる仕組みと直し方
- 編集中は鳴るのに書き出すと無音になる原因
- 配信録画・OBS素材にありがちな音のトラブル
Premiere Proで音が出ないトラブルは、原因が1つではありません。同じ「音が出ない」でも、タイムラインで鳴らないのか、書き出したファイルが無音なのかで、疑うべき場所がまったく違います。
この記事では、思いつくままに設定をいじって時間を溶かさないように、上流から下流へ順番に切り分ける手順で解説します。多くの場合、最初の2ステップで解決します。
✅ 先に結論:まず見る3か所
- タイムラインのトラック名の横、「M」が緑(ミュート)になっていないか。
- 別のトラックの「S」が黄色(ソロ)になっていないか。ソロが1つでも点いていると他が全部黙ります。
- 編集 →「環境設定」→「オーディオハードウェア」→「デフォルト出力」が、今使っているイヤホン/スピーカーになっているか。
この3つで解決しない場合、以下の切り分けフローに沿って進めてください。
🧭 30秒でできる切り分け
まず「どこまでは音があるのか」を確認します。ここを飛ばして設定をいじり始めると、遠回りになります。

- タイムラインのクリップに波形(ギザギザの模様)が表示されていますか?
表示されていない → 素材側の問題です(後述のステップ4へ) - プロジェクトパネルで素材をダブルクリックし、ソースモニターで再生すると鳴りますか?
鳴る → タイムライン側の設定の問題です(ステップ1〜2へ)
鳴らない → 出力先か素材の問題です(ステップ3〜4へ) - YouTubeなど他のアプリでは音が鳴りますか?
鳴らない → パソコン側の出力設定・音量の問題です
鳴る → Premiere Pro側の設定の問題です(ステップ3へ) - 編集中は鳴るのに、書き出したファイルだけ無音ですか?
はい → 書き出し設定の問題です(ステップ5へ直行してください)
| 症状 | 可能性が高い原因 | 読む場所 |
|---|---|---|
| 特定のクリップだけ鳴らない | クリップの音量・エフェクト・リンク | ステップ2 |
| タイムライン全部が鳴らない | ミュート/ソロ/出力先 | ステップ1・3 |
| 波形が出ていない | 素材に音声が入っていない | ステップ4 |
| 片方の耳からしか鳴らない | チャンネルマッピング | ステップ4 |
| 書き出しだけ無音 | 「オーディオを書き出し」のチェック | ステップ5 |
| 急に全部鳴らなくなった | イヤホンの抜き差しで出力先がズレた | ステップ3 |
1️⃣ ステップ1:タイムラインで見る4か所
いちばん多い原因がここです。トラックヘッダー(トラック名が並んでいる左端の列)を見てください。

4つ目のオーディオメーターは切り分けにとても役立ちます。再生してメーターが振れていれば、Premiere Proは音を出そうとしている(=タイムラインより下流、出力先の問題)と判断できます。まったく振れていなければ、タイムラインより上流に原因があります。
ソロが「押した覚えがない」のに点いている理由
ソロボタンはショートカットや誤クリックで簡単に切り替わります。特にオーディオトラックが4本以上ある場合、画面外にはみ出したトラックのソロが点いていて気づかない、というパターンがよくあります。トラックヘッダーの高さを縮めて全トラックを一画面に収めてから確認してください。
音量ラインの確認方法
クリップ内の細い線が見えない場合は、トラックの高さを広げると表示されます。タイムライン左側のトラックヘッダーにカーソルを置き、Alt(Macは Option)を押しながらマウスホイールを回すと、そのトラックの高さが変わります。ショートカットの Alt +「=」/ Alt +「-」でも同じことができます。
2️⃣ ステップ2:クリップ側を疑う
「1つのクリップだけ鳴らない」場合は、トラックではなくクリップ側です。
オーディオゲインが下がっている
クリップを選択して右クリック →「オーディオゲイン」(ショートカット G)を開きます。ここが大きくマイナスになっていると、波形はあるのに聞こえない状態になります。「ゲインの設定」を 0dB に戻して確認してください。
エフェクトコントロールのレベルが下がっている
クリップを選択してエフェクトコントロールパネルを開き、「ボリューム」→「レベル」を確認します。キーフレームが打たれていて、その部分だけ音量が0まで落ちていることがあります。フェードアウトを作った時の消し忘れが典型です。
映像と音声のリンクが外れている
カット編集の途中で音声クリップだけを削除してしまったケースです。タイムラインで映像クリップの下に対応する音声クリップがあるか確認してください。消してしまった場合は、プロジェクトパネルから素材を入れ直します。
オーディオエフェクトが原因になっている
「ハイパスフィルター」「ローパスフィルター」などを深くかけすぎると、声の帯域がほぼ消えることがあります。エフェクトコントロールで適用したエフェクトを一時的にオフ(fxアイコンをクリック)にして、音が戻るか確かめてください。
3️⃣ ステップ3:出力先(オーディオハードウェア)を合わせる
「昨日まで鳴っていたのに、今日いきなり全部無音」という場合、ほぼこれです。Premiere Proは起動中にイヤホンを抜き差しすると、出力先の設定がズレることがあります。

- メニューの編集 →「環境設定」→「オーディオハードウェア」を開く(Macの場合は Premiere Pro →「設定」→「オーディオハードウェア」)
- 「デフォルト出力」のドロップダウンを開く
- 今実際に使っているイヤホン/スピーカー/オーディオインターフェースを選ぶ
- OK を押し、タイムラインを再生して確認する
選択肢に目的の機器が出てこない場合は、「デバイスクラス」を切り替えてみてください。Windowsでは MME / WASAPI / ASIO などが選べ、機器によって認識されるクラスが違います。オーディオインターフェースを使っている場合は、メーカー提供のASIOドライバーを選ぶと安定します。
パソコン側の音量ミキサーも確認する
Windowsでは、アプリごとに音量を設定できます。タスクバーのスピーカーアイコンを右クリック →「音量ミキサーを開く」で、Adobe Premiere Proの音量が0になっていないか確認してください。何かの拍子に下がっていることがあります。
4️⃣ ステップ4:素材側を疑う(波形が出ていない時)
タイムラインのクリップに波形が表示されていないなら、そもそもPremiere Proが音声を認識していません。

素材に音声トラックが入っていない
画面録画ソフトの設定ミスで、映像だけ録れていることがあります。プロジェクトパネルで素材を選び、右下または情報パネルでオーディオ情報が表示されるか確認してください。表示されなければ、素材そのものに音がありません。この場合Premiere Pro側では復旧できません。
音声チャンネルが片方にしか入っていない
マイクを1本で収録した素材は、ステレオの片チャンネル(Lだけ)に音が入っていることがあります。片耳からしか聞こえない、あるいは極端に小さい場合はこれです。
- プロジェクトパネルで素材を右クリック →「変更」→「オーディオチャンネル」を選ぶ
- クリップチャンネル形式を「モノラル」に変更する(またはメディアソースチャンネルの割り当てを左右両方に振る)
- OKを押し、タイムラインに置き直す
すでにタイムラインに置いた素材に適用する場合は、タイムライン上のクリップをいったん削除してから置き直す必要があります。
メディアキャッシュが壊れている
波形が表示されず、再読み込みでも直らない場合はキャッシュの破損を疑います。編集 →「環境設定」→「メディアキャッシュ」→「削除」から未使用のキャッシュファイルを削除し、Premiere Proを再起動してください。再解析に時間はかかりますが、波形が戻ることがあります。
5️⃣ ステップ5:編集中は鳴るのに書き出すと無音
ここは完全に別問題です。タイムラインで鳴っている=書き出しでも鳴る、とは限りません。
チェック1
書き出し画面の「オーディオを書き出し」のチェックが外れている。外れていると完全に無音のファイルになります。まずここです。
チェック2
ミュートしたトラックは書き出しにも反映されます。プレビュー用に消していたBGMトラックを戻し忘れるのが典型です。
チェック3
形式によっては音声のコーデック設定が空になっていることがあります。「オーディオ」タブでAACなどが選ばれているか確認します。
確認手順
- 書き出したいシーケンスを選び、ファイル →「書き出し」→「メディア」(ショートカット Ctrl+M / ⌘+M)を開く
- 設定パネルで「オーディオを書き出し」にチェックが入っているか確認する
- 「オーディオ」タブを開き、オーディオコーデック(通常はAAC)とビットレートが設定されているか確認する
- 書き出し前にタイムラインのミュート/ソロをすべて解除する
書き出し前のクセにしておくと事故が減ります。書き出しを実行する直前に「ミュート全解除 → シーケンス全体を早送りで再生 → オーディオメーターが振れているか目視」の3秒チェックを入れておくと、無音の書き出しをほぼ防げます。
🎤 配信録画・VTuber素材でよくあるパターン
配信アーカイブや録画素材を編集する場合、一般的な動画素材とは違う原因が出てきます。
4つ目の「だんだんズレる」は無音とは別のトラブルですが、混同されやすいので触れておきます。詳しくはPremiere Proで音ズレを直す方法で解説しています。複数人のコラボ素材をまとめる場合はPremiere Proのマルチカメラ編集も参考になります。
🔧 それでも直らない時の最終手段
ここまでで解決しない場合、Premiere Pro自体の設定が壊れている可能性があります。影響が大きい順に下から試してください。
- プロジェクトを別名保存して再起動する(一時的な不具合はこれで直ることが多いです)
- 新規シーケンスを作り、クリップをコピーして貼り付ける(シーケンス設定側の問題を切り分けられます)
- 新規プロジェクトに素材を読み込んで再生してみる(プロジェクトファイル固有の問題かを判定できます)
- 環境設定をリセットする(Alt を押しながらPremiere Proを起動。Macは Option。設定が初期状態に戻るため、ショートカットのカスタマイズなども消えます)
クラッシュを繰り返している場合など、動作そのものが不安定な時はPremiere Proがクラッシュ・フリーズした時の対処法もあわせて確認してください。
❓ よくある質問
再生ヘッドを動かすと少しだけ鳴るのに、通常再生では鳴りません
スクラブ(ドラッグ)で鳴るのに通常再生で鳴らない場合、再生エンジン側の問題である可能性が高いです。オーディオハードウェアのデバイスクラスを切り替えるか、Premiere Proを再起動してください。プレビューが重すぎて音声が間に合っていないケースもあるため、Premiere Proが重い・カクつく時の対処法もあわせて確認すると確実です。
ヘッドホンでは鳴るのにスピーカーでは鳴りません
オーディオハードウェアの「デフォルト出力」が切り替わっていないだけです。ステップ3の手順で、実際に使っている機器を選び直してください。
BGMだけが鳴りません
BGMを置いているトラックのミュート、または他のトラックのソロを確認してください。それでも鳴らない場合、BGMファイルの形式(一部のロスレス形式など)をPremiere Proが再生できていない可能性があります。MP3やWAVに変換してから読み込み直すと解決することがあります。
YouTubeにアップしたら音が消えました
これはPremiere Pro側ではなくYouTube側の問題です。BGMの著作権保護(Content ID)により音声がブロックされている可能性があります。使用しているBGMのライセンスを確認してください。著作権フリーBGM・効果音サイト5選で、申し立てが起きにくい素材の選び方を解説しています。
シーケンス設定が原因になることはありますか?
あります。シーケンスのオーディオマスターが「マルチチャンネル」になっていて、クリップの出力先が割り当てられていない場合などです。判定方法は簡単で、新規シーケンスにクリップをドラッグして音が鳴るかを試してください。鳴るならシーケンス設定側が原因です。詳しくはPremiere Proのシーケンス設定完全ガイドをどうぞ。
🔗 次に読むと制作が進む記事
- Premiere Proで音声・BGM・効果音を入れる方法|音が出たら次は音量バランス
- Premiere Proで音ズレを直す方法|鳴るけどズレる時はこちら
- Premiere Pro書き出し設定のおすすめ|書き出しの設定全般
- Premiere Pro 初心者入門|最初に覚えるべき基本操作7選|そもそもの基本操作から
- Premiere Proがクラッシュ・フリーズした時の対処法|動作が不安定な時に
📚 参考にした情報
- Adobe公式:オーディオハードウェア環境設定
- Adobe公式:Premiere Proでのオーディオの概要
- Adobe公式:オーディオトラックミキサー
- Adobe公式:オーディオチャンネルのマッピング
- Adobe公式:Premiere Proの書き出し設定リファレンス
🌱 まとめ

- まず波形が出ているかを見て、素材側かタイムライン側かを分ける
- タイムラインはミュート(M)とソロ(S)を最優先で確認する
- 急に全部鳴らなくなったらオーディオハードウェアのデフォルト出力
- 片耳だけ/小さすぎる時はオーディオチャンネルをモノラルに変更する
- 書き出しだけ無音なら「オーディオを書き出し」のチェックとミュートの戻し忘れ
音が出ないトラブルは焦りますが、原因の場所さえ絞り込めれば数分で直るものがほとんどです。設定を片っ端からいじるのではなく、「素材 → タイムライン → 出力先 → 書き出し」の順に一段ずつ確認する癖をつけておくと、次に同じことが起きた時にすぐ復旧できます。
