After Effectsのロトブラシの使い方【2026年版】グリーンバックなしで人物を切り抜く方法

グリーンバックがなくても、After Effectsの「ロトブラシ」を使えば人物だけをきれいに切り抜けます。2026年7月には、髪や重なった手足の追従精度が上がった次世代モデル(3.0)に刷新されました。この記事では基本の使い方と、精度を上げるコツ、VTuberの制作現場での使いどころをまとめました。
- ロトブラシの基本操作(塗る→伝播→エッジ調整)
- 切り抜き精度を上げる塗り方のコツ
- モーショントラッキングとの違い
- グリーンバックなしで人物を合成する実例
顔出しで撮った素材から人物だけを取り出したい。でも、グリーンバックを用意する場所も時間もない——そんなとき役立つのが、After Effects標準搭載の「ロトブラシ」です。
残したい部分を大まかになぞるだけで、AIが前景と背景の境界を推定し、動いている映像でも自動で追従してくれます。2026年7月には、髪の毛や重なり合う手足の追従精度が向上した次世代モデル(ロトブラシ3.0)に刷新されました。
この記事では、基本の使い方と、切り抜き精度を上げるコツをまとめます。
✅ 先に結論
- ロトブラシは「塗る→AIが伝播→エッジを微修正」の3ステップで使います。
- 精度を上げるコツは「丁寧に塗り込む」ことではなく「ヒントを与え、間違いだけ直す」ことです。
- 低画質の映像では認識精度が下がるので、できるだけ高画質の素材を使います。
- 「動きを追う」モーショントラッキングとは違い、ロトブラシは「形を切り抜く」機能です。
✂️ ロトブラシとは2026年7月に3.0へ刷新
ロトブラシは、映像から人物やモノを自動で切り抜く機能です。グリーンバックのように背景を単色にする必要がなく、普通の部屋で撮った映像からでも人物だけを取り出せます。

2026年7月時点の現行バージョン(AE 26系)では、AIモデルを刷新した次世代ロトブラシ(3.0)が標準になっています。髪の毛や、手が顔の前を横切るような重なりの追従が、以前よりかなり自然になりました。
🧭 基本の使い方

- レイヤーをダブルクリックしてレイヤーパネルを開く
- ツールパネルからロトブラシツールを選ぶ
- 残したい被写体の中心を、ざっくりストロークでなぞる
- 境界線(ピンクの枠)が表示されたら、スペースキーで前後のフレームへ伝播させる
- ズレている部分だけ追加でなぞって修正する
- 問題なければ「フリーズ」を実行して計算結果を確定する
🎯 切り抜き精度を上げるコツ
ロトブラシで失敗しやすいのは、「丁寧に塗り込めば精度が上がる」という思い込みです。実際はその逆のことが多いです。
コツ1:ヒントは最小限に
細かく塗り込みすぎると、かえってAIの推定が混乱することがあります。大まかに1回なぞって、結果を見てから直すほうが早く済みます。
コツ2:あなたの仕事は2つだけ
「ヒントを渡すこと」と「間違いを指摘すること」——ロトブラシで人間がやるのは、基本的にこの2つだけです。細部を手作業でなぞろうとしないでください。
コツ3:素材の画質を上げる
低画質の映像では、AIの認識精度も下がります。可能な範囲で高画質の素材を使うと、修正の手間が減ります。
🆚 モーショントラッキングとの違い
似た響きの機能に「モーショントラッキング」がありますが、目的が違います。
🎯 モーショントラッキング
映像内の「動き」を追いかけて、そこにテロップや画像を追従させる機能。切り抜きはしません。
✂️ ロトブラシ
被写体の「形」を切り抜いて、背景から分離する機能。動きの追跡ではなく合成が目的です。
「動く物にテロップを追従させたい」場合はAfter Effectsのモーショントラッキング入門、「人物を切り抜いて背景を変えたい」場合はこの記事、と使い分けてください。
🎙️ VTuberの制作現場での使いどころ

- グリーンバックが用意できない場所での顔出し撮影 → 人物だけ切り抜いてイラスト背景に合成
- 資料や実演映像から人物だけを抜き出す → 配信画面の一部として重ねる
- サムネイル素材の作成 → 撮影した人物を切り抜いてデザインに組み込む
切り抜いた人物をコラボ配信のような画面に配置したい場合はPremiere Proでワイプ(PinP)を作る方法もあわせて参考にしてください。
⚠️ よくある失敗
失敗1:エッジがガタガタになる
境界線付近の解像度が低い、またはコントラストが低い映像で起きやすいです。可能なら被写体と背景のコントラストがはっきりした映像を撮影してください。
失敗2:処理がずっと終わらない
解像度が高いまま、または範囲を広く取りすぎている場合に起きます。作業中はプレビュー解像度を下げ、確定後に本解像度で書き出すと負荷を抑えられます。
失敗3:手が顔の前を横切ると崩れる
複雑な重なりが起きる瞬間は、AIでも間違えやすい箇所です。その前後だけ手動でエッジを追加修正してください。
❓ よくある質問
グリーンバックを使ったほうが確実ですか?
撮影条件が許すなら、グリーンバックのほうが安定します。ただし用意できない場面では、ロトブラシで十分実用的な結果が得られます。
髪の毛の細かい部分もきれいに抜けますか?
2026年7月の次世代モデル(3.0)で改善されましたが、完璧ではありません。細かい毛先が気になる場合は、エッジのソフトネスを調整して馴染ませてください。
Premiere Proでも同じことはできますか?
Premiere Proにはロトブラシに相当する機能はありません。グリーンバックがある場合はPremiere Proでグリーンバック合成する方法、グリーンバックがない場合はAfter Effectsのロトブラシ、という使い分けになります。
🔗 次に読むと制作が進む記事
- After Effectsのモーショントラッキング入門|動きを追わせたいときはこちら
- Premiere Proでグリーンバック合成する方法|グリーンバックがある場合の方法
- After Effectsが重い・プレビューがカクつく時の対処法|処理が重いときに
- VTuberのOP動画をAfter Effectsで作る完全手順|切り抜いた素材の活用例
📚 参考にした情報
🌱 まとめ

- 塗る→伝播→エッジ調整→フリーズの4ステップで使う
- 丁寧に塗り込むより、ヒントを与えて間違いを直すほうが早い
- 低画質の映像は認識精度も下がる
- モーショントラッキングとは別機能(追跡ではなく切り抜き)
グリーンバックが用意できなくても、ロトブラシがあれば人物の切り抜きは十分可能です。まずは短い素材で、大まかに1回なぞるところから試してみてください。
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